運転免許を取ろうと思った時に、「よしっ! 運転免許試験場で飛び込み受験だ!」と考える人は多くありません。その理由は単純です。なかなか試験に合格できないからです。学科試験は勉強すれば何とかなるものの、問題は技能試験(実技試験=クルマやバイクを実際に運転して受ける試験)です。この運転免許試験場での技能試験の壁は、とても厚くて高いものです。
そこで一般的には、教習所へ行って運転免許を取ることを考えるわけですが、この自動車教習所や自動車学校には、いくつか種類があることは知っていますか? 試しに、検索エンジンなどで調べてみてください。すると、「~自動車教習所」、「~自動車学校」、「~自動車学院」、「~ドライビングスクール」、「~ライセンススクール」、「~自動車練習所」、・・・など、検索結果には様々な名称の教習所が出てきますよね。
でも実際のところ、呼び名の違いは教習所選びにいっさい関係ありません。大切なのは、「その教習所では一体何ができるのか」ということを事前にきちんと知っておくことです。
教習所の機能の違いで分けると、自動車教習所や自動車学校は、大きく2種類に分けることができます。 ひとつが「指定自動車教習所」、そして、もうひとつが「指定外自動車教習所」です。
「指定自動車教習所」は、「公認自動車教習所」とも呼ばれますが、ちなみに岐阜県警ホームページでは、「公安委員会が、一定の基準(資格を有する教習指導員等が置かれている、自動車教習コースなどの教習設備が整っている等の基準)に合致していると認めた教習所」と紹介されています。
この指定自動車教習所をきちんと卒業すると、運転免許試験場での技能試験(実技試験)が免除されるので、適正試験(視力や聴力などの検査)と学科試験に合格をすれば、運転免許証をもらえます。
一方、「指定外自動車教習所」は、公安委員会の指定を受けていません。「届出自動車教習所」、「特定届出自動車教習所」という教習所がありますが、これらは公安委員会に届け出してはいますが「指定自動車教習所」ではなく、「指定外自動車教習所」に分類されます。
「指定外自動車教習所」の場合は、運転免許試験場で、適正試験と学科試験に加えて、技能試験も受験して合格をしなければいけません。
このように、「指定自動車教習所」と「指定外自動車教習所」との大きな違いは、「運転免許試験場での技能試験が免除されるか」、それとも「免除されないか」という点にあります。「指定外自動車教習所」の場合は、規定通りの教習時間割を守る必要がありません。ですから、運転技術の上達が早い人は、「指定自動車教習所」に入校して卒業するよりも、短期間で、しかも費用も安く、運転免許を取得できる場合があります。よっぽど運転技術に自信があって、度胸もある人なら、そういった運転免許の取り方も良いでしょう。しかし、それだけの自信や度胸のある人は、そんなにいるものではありません。ですから、「指定自動車教習所」に入校して運転免許を取る方法をお勧めするのです。
「仮免許の検定は技能教習で何度も走ったコース」、「 卒業検定は路上教習で何度も走ったルート」、「検定に使う車は今までと同じ教習車」というほうが、その心理的な負担はずいぶんと軽いはずです。
この違いが、「新規免許取得者の約95%が指定教習所を卒業」(全日本指定自動車教習所協会連合会のホームページより)という数字にあらわれているのだと思います。
いきなり運転免許試験場に行って試験を受けようという人は少ないでしょうから、どこかの自動車教習所に行って、ということになるでしょう。しかし、おなじように「自動車教習所」という名前であっても、それぞれ違いがあるんだ、ということは分かってもらえましたよね。
ちなみに、教習所オンラインに掲載されている教習所・自動車学校は、すべて指定自動車教習所です。
⇒ 次の 教習所に入校してから卒業するまで へ
⇒ 前の 運転免許を取得するまでの流れ へ
⇒ 運転免許をどう取る? へ戻る